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インプラント手術は痛い?治療の流れと術後の腫れ・痛みについて

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2025.12.19

「インプラントでしっかり噛めるようになりたいけれど、手術が怖くて踏み出せない」「骨に穴を開けるなんて、痛いに決まっている」……。当院にご相談に来られる患者様からも、このような不安の声を本当によく耳にします。これまで歯を抜く経験はあっても、人工物を埋め込む外科手術となると、恐怖を感じてしまうのは人間として当然の感情です。

しかし、その「恐怖」の正体の多くは、「具体的に何をされるか分からない」「どのくらい痛いのか想像できない」という情報の不透明さから来ています。実際の手術は、徹底した麻酔管理の下で行われるため、想像されているよりも痛みを感じることはほとんどありません。この記事では、皆様が一番不安に感じている「手術中の痛み」や「術後の腫れ」、そして「治療の具体的な流れ」について、歯科医師が包み隠さず正直にお話しします。

カウンセリングから完了まで!治療期間と通院回数の目安

インプラント治療は、虫歯の治療のように「削って詰めて終わり」ではありません。安全に長く使い続けるための土台を作る治療であるため、ある程度の期間が必要になります。一般的な治療の流れは以下の4つのステップで進みます。

STEP 1:検査・診断と治療計画(12回) まずはCT撮影やレントゲン、口腔内写真の撮影を行い、顎の骨の厚みや神経の位置を正確に把握します。この検査結果をもとに、どの位置にどのサイズのインプラントを埋入するか、緻密なシミュレーションを行います。

STEP 2:インプラント埋入手術(1回) 専用の手術室で、顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込みます。本数にもよりますが、手術時間はおおよそ30分〜1時間程度です。入院の必要はなく、その日のうちにご帰宅いただけます。

STEP 3:治癒期間(3ヶ月〜6ヶ月) ここが最も重要な期間です。埋め込んだインプラントと骨が細胞レベルで結合する(オッセオインテグレーション)のをじっくり待ちます。この期間は、インプラントの位置や骨の状態によって異なりますが、一般的に下顎で3ヶ月、上顎で6ヶ月程度かかります。見た目が気になる前歯などの場合は、この期間中に「仮歯」をお入れしますので、歯がない状態で過ごすことはありません。

STEP 4:人工歯(被せ物)の装着(23回) 骨とインプラントが完全に結合したことを確認したら、型取りを行い、最終的なセラミックなどの人工歯を作製・装着します。噛み合わせを微調整し、問題なければ治療完了です。

トータルすると、治療期間は早くて3ヶ月、長いと1年近くかかることもあります。通院回数は全部で6回〜10回程度です。「意外と回数は少ないんだな」と感じられる方も多いですが、それは「待つ期間」が長いためです。

手術中の痛みは?麻酔や鎮静法についての取り組み

「骨にドリルで穴を開ける」と聞くと、激痛を想像してしまうかもしれませんが、実際の手術中に痛みを感じることはまずありません。なぜなら、手術の前には必ず十分な効き目の「局所麻酔」を行うからです。

  • 通常の歯科治療と同じ「局所麻酔」 インプラント手術で使用する麻酔は、むし歯の治療や抜歯の時と同じものです。しっかりと麻酔が効いていることを確認してから処置を始めますので、メスで切る痛みや、骨を削る痛みが伝わることはありません。手術中に感じるとすれば、器具が当たる感覚や、振動が伝わる感覚(音や振動)程度です。もちろん、万が一途中で痛みを感じそうな場合は、すぐに麻酔を追加しますので、我慢する必要は一切ありません。
  • 眠ったような状態で受けられる「静脈内鎮静法」 「痛みはなくても、手術の音や雰囲気が怖くて耐えられないかも」という方には、「静脈内鎮静法(じょうみゃくないちんせいほう)」という特別な麻酔オプションをご用意しています。これは、点滴から鎮静薬を投与する方法で、全身麻酔とは異なり意識はありますが、うとうとと半分眠っているような、非常にリラックスした状態になります。 この方法の大きなメリットは「健忘効果」です。手術中の記憶がほとんど残らないため、「気づいたら手術が終わっていた」と感じる患者様がほとんどです。歯科恐怖症の方や、嘔吐反射が強い方、手術本数が多く時間がかかる方には、この鎮静法の併用を強くお勧めしています。

術後の腫れや痛みはいつまで続く?ダウンタイムの過ごし方

手術が無事に終わった後、麻酔が切れてからの痛みや、顔の腫れがどの程度出るのかも気になるところだと思います。個人差や手術の規模にもよりますが、一般的な経過と過ごし方のポイントについてお話しします。

  • 痛みのピークと対策 痛みを感じやすいのは、麻酔が切れ始める「手術直後〜当日の夜」です。ただし、多くの患者様が「親知らずを抜いた時よりも痛くなかった」「痛み止めを飲めば気にならなかった」とおっしゃいます。当院では、痛みが出る前に服用できるよう、鎮痛剤と抗生物質(化膿止め)を処方します。指示通りに服用していただければ、日常生活に支障が出るような激痛に襲われることはほとんどありません。痛みは通常、23日で治まります。
  • 腫れのピークと期間 腫れに関しては、手術から「2日〜3日後」がピークとなります。その後、1週間ほどかけて徐々に引いていきます。特に、骨を増やす処置(骨造成)を同時に行った場合や、手術範囲が広い場合は、頬が飴玉を含んでいるように腫れたり、内出血で皮膚が青紫色になったりすることがありますが、これらも必ず治りますので過度な心配はいりません。
  • 当日の過ごし方(ダウンタイム)の注意点 手術当日は、できるだけ安静に過ごしていただくことが、痛みや腫れを最小限に抑えるコツです。以下の3点は、血行を良くしてしまい、出血や痛みの原因となるため避けてください。
    1. 激しい運動(ジムやランニングなど)
    2. 長時間の入浴(当日はシャワー程度で済ませてください)
    3. 飲酒(アルコールは血管を広げるため厳禁です)

また、「冷やしすぎ」にも注意が必要です。腫れていると氷で冷やしたくなりますが、急激に冷やしすぎると血流が悪くなり、かえって治り(傷の修復)が遅くなってしまいます。冷やす場合は、濡れタオルを軽く当てる程度に留めておくのがベストです。

治療後がスタート!長持ちさせるためのメンテナンスの重要性

手術が無事に終わり、新しい歯が入ると、「これでやっと終わった!もう歯医者に通わなくていい」と安心される方が多いのですが、実はここからが本当のスタートです。インプラントを長持ちさせられるかどうかは、治療後の「メンテナンス」にかかっていると言っても過言ではありません。

  • インプラントの天敵「インプラント周囲炎」 インプラントはチタン製なので、天然の歯のように「むし歯」になることは絶対にありません。しかし、歯を支えている歯茎や骨は生身の体ですので、ケアを怠ると「歯周病」と同じ状態になります。これを「インプラント周囲炎(しゅういえん)」と呼びます。 恐ろしいことに、天然の歯にはある「歯根膜(しこんまく)」というバリア機能がインプラントにはないため、一度細菌に感染すると、天然歯よりも急速に進行してしまいます。最悪の場合、支えている骨が溶けてしまい、せっかく入れたインプラントがポロリと抜け落ちてしまうことさえあります。
  • 「プロケア」と「ホームケア」の両輪が必要 このトラブルを防ぐために必要なのが、歯科医院での定期的な「プロケア」と、ご自宅での毎日の「ホームケア」です。 どんなに歯磨きが上手な方でも、歯ブラシだけでは落としきれない汚れ(バイオフィルム)が必ず溜まります。そのため、3ヶ月〜半年に一度は定期検診にお越しいただき、専用の機械でクリーニングを行ったり、噛み合わせのチェックを行ったりする必要があります。

インプラントは「入れたら一生何もしなくていい魔法の歯」ではありません。高級車と同じで、長く快適に走り続けるためには、定期的な車検やオイル交換といったメンテナンスが不可欠なのです。私たちが責任を持ってサポートしますので、二人三脚で大切に守っていきましょう。

まとめ

ここまで、多くの方が不安に感じる「手術への恐怖」や「痛み」について、包み隠さずお話ししてきました。

「手術」という言葉だけで身構えてしまうのは、決して恥ずかしいことではありません。しかし、現代のインプラント治療は、麻酔技術や設備の進化により、患者様の身体的・精神的負担を極限まで減らすことが可能になっています。

実際に治療を終えた患者様の多くが、「案ずるより産むが易しだった」「こんなに楽なら、もっと早くやれば良かった」と笑顔でおっしゃいます。その笑顔を見るたびに、私たちは「恐怖心だけで、噛める喜びを取り戻すチャンスを逃してほしくない」と強く思います。

もし、まだ不安が残るようであれば、まずはその気持ちをそのまま歯科医師に伝えてみてください。インターネットの情報だけでなく、ご自身のCT画像を見ながら具体的な説明を受けるだけで、「何が分からないか分からない」というモヤモヤが晴れ、スッと肩の荷が下りるはずです。あなたが勇気を出して踏み出したその一歩を、私たちが全力で支えます。

 



 
監修記事
小川 信Ogawa Shin
医療法人社団 新成会 理事長。歯科医師。日本口腔外科学会 認定医、日本口腔インプラント学会 専門医、日本顎顔面インプラント学会 専門医、厚生労働省指定臨床研修指導歯科医として、多岐にわたるインプラント治療を行う。新潟大学医歯学総合病院の口腔外科やインプラント治療部門で長く研究や臨床に携わっており、「患者さんができるだけ長い間、QOLが高い状態で過ごせるよう、そのライフスタイルに寄り添った歯科治療を提供したい」という想いで、日々の治療にあたっている。