大宮銀座通り歯科オフィシャルサイト

ご予約・お問い合わせ
048-783-2696
ARCHIVE

インプラント治療で後悔しないために!知っておくべきメリットとデメリットを徹底解説

ブログ

2025.12.26

歯を失ってしまった際、これからの生活において「以前のように食事を楽しめるだろうか」「人前で口を開けて自然に笑えるだろうか」という深い不安を抱える方は少なくありません。失った歯を補うための治療法はいくつか存在しますが、その中でも機能性と審美性の両面で近年注目されているのが「インプラント治療」です。

しかし、インターネット上には「インプラントは素晴らしい」という意見もあれば、「やめたほうがいい」という否定的な意見もあり、どの情報を信じれば良いのか迷われている方も多いのではないでしょうか。治療後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、良い面だけでなく、リスクや負担についても正しく理解して検討することが何より重要です。この記事では、インプラント治療の基礎知識から、メリット・デメリットについて、歯科医師の視点で正直にご案内します。

インプラント治療とは?仕組みと他の治療法との違い

インプラント治療とは、むし歯や歯周病、事故などで失ってしまった歯の代わりに、生体親和性の高いチタン製の「人工歯根(インプラント体)」を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着して機能を回復させる治療法です。この治療の最大の特徴は、顎の骨と人工歯根が強固に結合すること(オッセオインテグレーション)で、天然の歯と同じように独立してしっかりと立つことができる点にあります。

歯を失った際の治療法として、インプラント以外に「ブリッジ」や「入れ歯(義歯)」がありますが、それぞれの仕組みには決定的な違いがあります。以下の表に主な違いをまとめました。

特徴

インプラント

ブリッジ

入れ歯(部分入れ歯)

仕組み

顎の骨に人工歯根を埋め込む

両隣の歯を削って橋をかける

バネを隣の歯にかけて固定する

他の歯への影響

なし(単独で自立)

大(健康な歯を削る必要あり)

中(バネをかける歯に負担)

噛む力

天然歯と同等

天然歯の約60

天然歯の3040

手術

必要

不要

不要

保険適用

原則自費診療

適用

適用

従来一般的であった「ブリッジ」は、失った歯を補うために、両隣の健康な歯を削らなければならないという大きなデメリットがありました。また「入れ歯」は、取り外し式であるため、どうしても噛む力が弱くなったり、装着時の違和感が生じたりすることが避けられません。

対してインプラントは、周囲の健康な歯を削ったり、負担をかけたりすることなく、単独で「噛む機能」と「自然な見た目」を取り戻すことが可能です。まさに「第二の永久歯」とも呼ばれる所以は、この構造的な自立性にあります。

最大の魅力は「噛む力」と「見た目」!3つのメリット

インプラント治療を選ぶ方が増えている背景には、他の治療法では得られない大きなメリットがあるからです。ここでは、患者様の生活の質(QOL)を大きく向上させる3つのポイントについてご案内します。

  • 硬いものもしっかり噛める「機能性」

最大のメリットは、何といっても「噛む力」の回復です。入れ歯の場合、噛む力は天然の歯の3040%程度まで落ちてしまうと言われており、お煎餅やステーキ、繊維質の野菜などを食べることが難しくなる場合があります。しかし、インプラントは顎の骨にしっかりと固定されているため、ご自身の歯と同じような感覚で力強く噛むことができます。食事のメニューを制限することなく、味わって食べられる喜びは、全身の健康にも良い影響を与えます。

  • バネがなく自然で美しい「審美性」

部分入れ歯には、歯を固定するための金属のバネ(クラスプ)が付いており、口を開けた時に見えてしまうことがあります。これが気になって「思い切り笑えない」と悩む方も少なくありません。インプラントには金属のバネがなく、歯茎から直接歯が生えているような自然な見た目を再現できます。セラミックなどの美しい素材を使用することで、天然歯と見分けがつかないほどの仕上がりになります。

  • 周囲の健康な歯を「守る」ことができる

歯科医師として最も強調したいメリットがこれです。ブリッジは両隣の健康な歯を削る必要があり、部分入れ歯はバネをかける歯に負担を強いてしまいます。これらは、結果として「残っている健康な歯」の寿命を縮めるリスクを伴います。対してインプラントは、失った部分単独で治療が完結するため、他の歯に一切負担をかけません。お口全体の健康を長期的に維持するという視点において、非常に優れた治療法と言えます。

事前に知るべきリスクとデメリット(費用・手術・期間)

インプラントには多くのメリットがある一方で、患者様にとって負担となり得るデメリットやリスクも確実に存在します。治療を開始してから「知らなかった」と後悔することがないよう、以下の3つのハードルについて詳しく確認しておく必要があります。

  • 費用が高額になる(原則として保険適用外)

一部の特殊な症例を除き、インプラント治療は健康保険が適用されない「自費診療」となります。そのため、保険適用の入れ歯やブリッジに比べると、治療費は高額になります。クリニックや使用するメーカーによって異なりますが、1本あたり30万円〜50万円程度が相場とされています。ただし、この費用は国の制度である「医療費控除」の対象となるため、確定申告を行うことで税金の一部が還付され、実質的な負担額を軽減できる場合があります。

  • 外科手術が必要であることへの身体的・精神的負担

インプラントは、歯肉を切り開き、顎の骨に穴を開けて人工歯根を埋め込む「外科手術」を伴います。これが、手術を伴わない入れ歯やブリッジとの決定的な違いです。手術中は局所麻酔を使用するため痛みを感じることはほとんどありませんが、術後に腫れや痛みが出ることがあります。また、血管や神経を傷つけるリスクもゼロではありません。そのため、CT撮影による事前の精密検査や、徹底した衛生管理を行っている歯科医院を選ぶことが安全性の鍵となります。

  • 治療期間が比較的長くかかる

「今日手術をして、明日からすぐに噛める」というわけではありません。埋め込んだインプラント体が顎の骨としっかりと結合するまで待つ期間(治癒期間)が必要です。個人の骨の状態や埋入部位によりますが、一般的に下顎で3ヶ月、上顎で6ヶ月程度の期間を要します。その間は仮歯で過ごすことになるため、最終的な被せ物が入るまでには、ある程度の通院回数と根気が必要となります。

あなたは適応?インプラント治療をおすすめできる人・できない人

インプラントは非常に優れた治療法ですが、万能ではありません。患者様のお口の状態や全身の健康状態によっては、治療が適していない場合や、追加の処置が必要になるケースがあります。ご自身がどちらに当てはまりそうか、目安としてご確認ください。

インプラント治療をおすすめできる方

  • 入れ歯に抵抗がある方

「入れ歯のバネが見えるのが嫌」「取り外して洗うのが面倒」「話しにくい」といった、入れ歯特有のストレスから解放されたい方に最適です。

  • 健康な歯を削りたくない方

過去にブリッジ治療などで歯を削る辛さを経験し、「もうこれ以上、健康な歯を傷つけたくない」と強く願う方には、独立型のインプラントが最も推奨されます。

  • しっかりと噛んで食事を楽しみたい方

ご自身の歯と同じような感覚で、硬いものや粘り気のあるものでも気にせず食べたいという方に向いています。

治療が難しい、または慎重な判断が必要な方

一方で、以下のような条件に当てはまる場合は、リスクが高まるため注意が必要です。

  • 全身疾患をお持ちの方

重度の糖尿病、心疾患、高血圧、骨粗鬆症などの持病がある場合、手術や術後の治癒に影響が出る可能性があります。特に糖尿病で数値のコントロールがうまくいっていない場合は、感染リスクが高まるため治療をお断りすることがあります。

  • 顎の骨が著しく不足している方

インプラントを支える土台となる顎の骨が痩せてしまっていると、そのままでは埋入できません。この場合、「骨造成(こつぞうせい)」という骨を増やす手術を併用することで可能になるケースもありますが、治療期間や費用はその分プラスになります。

  • 喫煙習慣がある方(ヘビースモーカー)

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血流を悪くします。これにより、インプラントと骨が結合しにくくなり、非喫煙者に比べて治療の失敗率が数倍高くなるというデータがあります。そのため、治療期間中は禁煙をお願いすることが一般的です。

  • 毎日の歯磨きや定期検診ができない方

インプラントはむし歯にはなりませんが、歯周病に似た「インプラント周囲炎」にはなります。天然の歯よりも進行が早いため、日々の丁寧なブラッシングと定期的なプロケアが継続できない場合、せっかく入れたインプラントが抜け落ちてしまうリスクがあります。

まとめ

ここまで、インプラント治療の仕組みからメリット・デメリット、向き不向きについて詳しくお話ししてきました。

インプラントは、失った歯を補う手段として機能的・審美的に非常に優れた治療法であることは間違いありません。しかし、「全ての方にとって絶対にベストな選択肢か」と問われれば、必ずしもそうとは言い切れません。費用を抑えることを最優先される方には入れ歯が適している場合もありますし、手術への恐怖心がどうしても拭えない方にとっては、別の選択肢が良い場合もあります。

大切なのは、ご自身が「これからの人生で何を優先したいか」を明確にすることです。「美味しいものを何でも食べられる生活」なのか、「費用の負担を減らすこと」なのか、あるいは「見た目の若々しさ」なのか。それによって、選ぶべき治療法は自然と変わってきます。

もし、まだ迷われているようであれば、一度歯科医院のカウンセリングを受けてみることをお勧めします。インターネット上の情報だけでなく、ご自身の顎の骨の状態やリスクを正確に知ることで、漠然とした不安が解消され、納得のいく答えが見つかるはずです。後悔のない選択をするために、焦らずじっくりと検討してください。

 



 
監修記事
小川 信Ogawa Shin
医療法人社団 新成会 理事長。歯科医師。日本口腔外科学会 認定医、日本口腔インプラント学会 専門医、日本顎顔面インプラント学会 専門医、厚生労働省指定臨床研修指導歯科医として、多岐にわたるインプラント治療を行う。新潟大学医歯学総合病院の口腔外科やインプラント治療部門で長く研究や臨床に携わっており、「患者さんができるだけ長い間、QOLが高い状態で過ごせるよう、そのライフスタイルに寄り添った歯科治療を提供したい」という想いで、日々の治療にあたっている。