大宮銀座通り歯科オフィシャルサイト

ご予約・お問い合わせ
048-783-2696
ARCHIVE

インプラントの仮歯はいつ必要?タイミングと治療期間について

ブログ

2025.07.14

インプラント治療を検討されている方の中には、「治療期間中は歯がない状態になるのだろうか?」「仮歯は使えるのだろうか?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に、見た目や食事への影響を考えると、仮歯の有無やその期間は気になるものです。インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込み、骨と結合するのを待つ期間が必要なため、最終的な被せ物が入るまでに時間を要します。その間を快適に過ごすために、仮歯が重要な役割を果たすことがあります。

インプラント治療中の仮歯の役割

インプラント治療において、仮歯は単に見た目を補うだけでなく、いくつかの重要な役割を担っています最終的な被せ物が入るまでの期間を、患者様が快適に過ごすために、仮歯は欠かせない存在と言えるでしょう。

仮歯の主な役割は以下の通りです。

  1. 見た目の回復(審美性の維持): 特に前歯など、目立つ部分の歯を失った場合、歯がない状態は見た目に大きな影響を与え、人前で話したり笑ったりすることに抵抗を感じる方も少なくありません。仮歯を入れることで、抜歯後のスペースを補い、自然な口元を保つことができます。これにより、治療中でも社会生活や日常生活において、心理的な負担を軽減し、自信を持って過ごすことが可能になります。
  2. 食事機能のサポート: 歯がない部分があると、食べ物を噛むことが難しくなったり、他の歯に負担がかかったりします。仮歯を装着することで、ある程度の咀嚼機能を回復させることができ、食事がしやすくなります。ただし、仮歯は最終的な被せ物ほどの強度はないため、硬いものを噛む際には注意が必要です。完全に元のようには噛めなくても、食事の質を維持し、栄養摂取の面でもサポートします。
  3. 歯並びの維持: 歯が一本でも抜けたまま放置すると、隣の歯が抜けたスペースに傾いてきたり、噛み合う歯が伸び出してきたりすることがあります。これは、お口全体の噛み合わせのバランスを崩し、将来的な治療を複雑にする原因となります。仮歯は、抜けたスペースを一時的に埋めることで、周囲の歯が移動するのを防ぎ、正しい歯並びと噛み合わせを維持する役割を果たします。これにより、最終的な被せ物を作る際の精度も高まります。
  4. 顎の骨への適切な刺激: インプラント体を埋入した後、その上に仮歯を装着することで、弱いながらも噛む力がインプラント体に伝わります。この適度な刺激は、インプラント体と顎の骨がしっかりと結合する「骨結合」の促進に良い影響を与える可能性があります。ただし、この際の噛む力の調整は非常に重要で、過剰な力がかかると骨結合を妨げる原因にもなり得るため、歯科医師による厳密な管理が必要です。
  5. 最終的な被せ物の形や噛み合わせのシミュレーション: 仮歯は、最終的な被せ物の形や大きさ、噛み合わせを試すための「リハーサル」としても機能します。仮歯の状態で実際に食事をしたり、話したりすることで、患者様が感じる違和感や不満を事前に把握し、最終的な被せ物の設計に反映させることができます。これにより、より満足度の高い仕上がりに繋げることが可能です。

このように、インプラント治療における仮歯は、審美性、機能性、そして治療の精度を高める上で多岐にわたる重要な役割を担っています。

インプラント治療で仮歯はいつ入れる?

インプラント治療における仮歯の装着タイミングは、治療計画や失った歯の位置、お口の状態によって異なります。すべてのケースで仮歯が必要となるわけではありませんが、主に以下の2つのパターンで仮歯が用いられます。

  1. インプラント埋入と同時に仮歯を装着する場合(即時荷重インプラント): これは、主に前歯など審美性が重視される部位や、骨の状態が非常に良好で安定している場合に選択されることがあります。インプラント体を顎の骨に埋め込んだ直後に、そのインプラント体に連結する形で仮歯を装着します。
    • メリット:
      • 治療期間中の見た目をすぐに回復できるため、患者様の心理的な負担が少ないです。
      • 手術当日から歯がある状態になるため、日常生活への影響を最小限に抑えられます。
      • 適度な刺激が骨結合を促す可能性も期待できます。
    • 注意点:
      • この方法が適用できるのは、骨の量が十分にあること、インプラント体の初期固定が非常に安定していることが条件となります。
      • 仮歯とはいえ、埋入直後のインプラント体に過度な力がかかると、骨との結合が妨げられたり、インプラント体が脱落したりするリスクがあるため、噛む力に厳重な制限が設けられます。基本的には「噛まない」ように指示されます。
      • すべての歯科医院で対応しているわけではありません。
  1. 骨結合期間を経てから仮歯を装着する場合(通常のインプラント治療): インプラント治療の一般的な流れです。インプラント体を埋入した後、顎の骨とインプラント体がしっかりと結合するまでの期間(骨結合期間)を設けます。この期間は、通常、上顎で36ヶ月、下顎で24ヶ月程度が目安とされていますが、個人差や骨の状態によって前後します。
    • 骨結合期間中の過ごし方:
      • 前歯など目立つ部分の欠損であれば、**取り外し式の仮歯(義歯)や、隣の歯に一時的に固定する仮歯(接着性ブリッジのようなもの)**を装着して、見た目を補うことが一般的です。この仮歯は、あくまで審美性や軽い機能の回復が目的であり、インプラント体に直接触れないように設計されます。
      • 奥歯の欠損であれば、骨結合期間中は仮歯を入れないこともあります。これは、奥歯の方が噛む力が強くかかるため、インプラント体への負担を避ける目的があります。
    • 仮歯装着のタイミング: 骨結合が確認され、インプラント体が安定した後に、アバットメントを装着し、その上に仮歯を取り付けます。この仮歯は、最終的な被せ物を作る前の噛み合わせの調整や、歯茎の形を整えるために使用されます。

どちらのケースにおいても、仮歯は最終的な被せ物が入るまでの移行期間を快適に過ごすための重要な役割を担っています。仮歯の有無やタイミングについては、患者様のお口の状態や治療計画によって最適な方法が異なるため、歯科医師との十分な相談が不可欠です。

インプラント治療中の仮歯期間の注意点

インプラント治療中に仮歯を装着している期間は、最終的な被せ物が入るまでの大切な準備期間です。この期間を安全かつスムーズに過ごすためには、いくつかの注意点があります。仮歯は最終的な被せ物とは異なり、一時的なものであることを理解し、以下の点に留意して生活しましょう。

  1. 硬い食べ物や粘着性の高い食べ物を避ける: 仮歯は、最終的な被せ物ほどの強度はありません。特に、埋入直後の即時荷重インプラントの仮歯は、インプラント体が骨と結合するのを妨げないよう、噛む力を極力かけない設計になっています。そのため、以下のような食べ物は避けるようにしましょう。
    • 硬いもの: フランスパン、おせんべい、ナッツ類、氷など
    • 粘着性の高いもの: キャラメル、餅、ガムなど。これらは仮歯に強く張り付き、外れてしまう原因になります。
    • 繊維質の多いもの: 肉類(特に筋っぽいもの)、野菜(繊維の多いもの)などは、仮歯の周りに詰まりやすく、清掃が難しい場合があります。 食事の際は、外れた側や仮歯のない側で噛む、あるいは柔らかいものを中心に食べるように心がけてください。
  1. 丁寧な歯磨きと清掃: 仮歯の周りやインプラント体、アバットメントが露出している部分は、食べかすやプラークが溜まりやすくなります。この時期に清掃を怠ると、インプラント周囲炎のリスクが高まるだけでなく、周囲の天然歯のむし歯や歯周病の原因にもなりかねません。
    • 歯ブラシは優しく: 仮歯や歯茎に負担がかからないよう、柔らかめの歯ブラシで優しく丁寧に磨きましょう。
    • 歯科医の指示に従う: 担当の歯科医師や歯科衛生士から、仮歯の清掃方法について指導があった場合は、その指示に必ず従ってください。デンタルフロスや歯間ブラシ、タフトブラシなど、特定の補助清掃用具の使用を指示されることもあります。
    • 洗口液の活用: 殺菌成分配合の洗口液を併用することで、お口の中を清潔に保ち、細菌の増殖を抑える効果が期待できます。
  1. 仮歯が外れた・破損した場合はすぐに連絡: 万が一、仮歯が外れてしまったり、欠けてしまったりした場合は、ご自身で元に戻そうとせず、すぐに歯科医院へ連絡してください。自己判断で無理に戻そうとすると、インプラント体や周囲の組織を傷つけたり、仮歯が完全に破損したりする可能性があります。外れた仮歯は、紛失しないように清潔なケースに入れて保管し、受診時に持参しましょう。
  2. 定期的なチェックと調整: 仮歯を装着している期間中も、定期的に歯科医院を受診し、経過をチェックしてもらうことが重要です。噛み合わせの変化や、仮歯の適合状態、歯茎の健康状態などを確認し、必要に応じて仮歯の調整や修正が行われます。これにより、インプラント体への過度な負担を防ぎ、骨結合の安定をサポートします。

仮歯期間は、最終的なインプラントの成功に繋がる重要なステップです。これらの注意点を守り、歯科医師の指導のもと、安全に過ごすようにしてください。

大宮銀座通り歯科のインプラント治療

大宮銀座通り歯科では、患者様一人ひとりに合わせた最適なインプラント治療を提供しています。インプラント治療は、失われた歯の機能と見た目を回復させる画期的な治療法ですが、その成功には精密な診断と経験豊富な歯科医師による適切な治療計画、そして患者様のご理解とご協力が不可欠です。

当院のインプラント治療の特徴は以下の通りです。

  1. 精密な事前診断と治療計画: インプラント治療を始める前に、歯科用CTスキャンを用いて顎の骨の量や質、神経や血管の位置などを詳細に確認します。これにより、インプラントを安全かつ正確に埋入するための立体的な情報が得られ、患者様に合わせた最適な治療計画を立案します。患者様には、治療のステップや期間、費用、リスクなどについて、分かりやすく丁寧にご説明し、納得いただいた上で治療を進めます。
  2. 経験豊富な歯科医師による治療: インプラント手術は、専門的な知識と技術を要する外科処置です。当院では、長年の経験と実績を持つ歯科医師が治療を担当します。常に最新の医療技術と情報を取り入れ、安全で質の高いインプラント治療を提供できるよう努めています。
  3. 衛生管理の徹底: インプラント手術は清潔な環境で行うことが重要です。当院では、医療機器の滅菌や消毒を徹底し、感染リスクを最小限に抑えるための厳格な衛生管理体制を整えています。患者様が安心して治療を受けられる環境づくりに力を入れています。
  4. 仮歯によるきめ細やかなサポート: 治療期間中の患者様の生活の質を考慮し、必要に応じて仮歯を適切に活用します。特に前歯など目立つ部分の欠損に対しては、審美性を損なわないよう、骨との結合期間中も自然な仮歯を装着できるよう努めます。仮歯の噛み合わせの調整や、清掃方法の指導も丁寧に行い、最終的な被せ物が入るまでを快適にサポートします。
  5. 長期的なメインテナンスとサポート: インプラント治療は、最終的な被せ物が入って終わりではありません。インプラントを長持ちさせるためには、定期的な専門的なクリーニングと検診が不可欠です。当院では、インプラント周囲炎の予防や、噛み合わせのチェックなど、インプラントの状態を長期的に維持するためのメインテナンスプログラムをご提案し、患者様のお口の健康を継続的にサポートします。インプラントは適切なケアを続けることで、天然歯と同様に長くお使いいただけます。

大宮銀座通り歯科では、患者様が安心してインプラント治療を受け、健康的で美しい笑顔を取り戻せるよう、スタッフ一同、全力でサポートさせていただきます。

まとめ

インプラント治療を検討されている方にとって、治療期間中の「歯がない期間」や「仮歯の必要性」は大きな関心事ではないでしょうか。インプラント治療は、人工歯根が顎の骨と結合するまでの期間を要するため、その間に仮歯が非常に重要な役割を果たします。

インプラント治療中の仮歯の役割は多岐にわたります。

  • 見た目の回復(審美性の維持): 特に前歯など目立つ部分の欠損で、心理的な負担を軽減します。
  • 食事機能のサポート: ある程度の咀嚼機能を回復させ、食事のしやすさを向上させます。
  • 歯並びの維持: 周囲の歯が移動するのを防ぎ、噛み合わせのバランスを保ちます。
  • 顎の骨への適切な刺激: 適度な刺激が骨結合を促進する可能性も秘めています(ただし、厳重な管理が必要)。
  • 最終的な被せ物のシミュレーション: 形や噛み合わせの微調整に役立てます。

仮歯を入れるタイミングは、治療計画や口腔内の状態によって異なります。

  • 即時荷重インプラント: 骨の状態が良好な場合に、インプラント埋入と同時に仮歯を装着することがあります。この場合、見た目はすぐに回復しますが、噛む力には厳重な制限があります。
  • 通常のインプラント治療: インプラント体が骨と結合する期間(26ヶ月程度)を設けてから仮歯を装着します。この期間は、取り外し式の仮歯や一時的な接着性ブリッジなどで見た目を補うこともあります。

仮歯期間中は、以下の点に注意して過ごすことが大切です。

  • 硬い食べ物や粘着性の高い食べ物を避ける
  • 丁寧な歯磨きと清掃を徹底する
  • 仮歯が外れたり破損したりした場合は、すぐに歯科医院へ連絡する
  • 定期的なチェックと調整を受ける

大宮銀座通り歯科では、患者様一人ひとりに合わせた精密な診断と治療計画を立て、経験豊富な歯科医師が治療を行います。徹底した衛生管理のもと、仮歯によるきめ細やかなサポートを提供し、長期的なメインテナンスでインプラントを長持ちさせるお手伝いをしています。

インプラント治療中の仮歯についてご不安な方も、ぜひ歯科医師に相談し、安心して治療を進めていきましょう。

 



 
監修記事
小川 信Ogawa Shin
医療法人社団 新成会 理事長。歯科医師。日本口腔外科学会 認定医、日本口腔インプラント学会 専門医、日本顎顔面インプラント学会 専門医、厚生労働省指定臨床研修指導歯科医として、多岐にわたるインプラント治療を行う。新潟大学医歯学総合病院の口腔外科やインプラント治療部門で長く研究や臨床に携わっており、「患者さんができるだけ長い間、QOLが高い状態で過ごせるよう、そのライフスタイルに寄り添った歯科治療を提供したい」という想いで、日々の治療にあたっている。