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骨の少ない方のインプラント治療

ブログ

2025.08.30

歯を失ってインプラント治療をご検討されている方の中には、「自分は骨が少ないからインプラントはできないかもしれない」と不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。インプラント治療は、顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込むため、十分な骨量と骨密度が必要とされます。しかし、歯周病の進行や抜歯後の時間の経過、外傷などにより、骨が不足してしまうケースも少なくありません。このような状況でも、インプラント治療を諦める必要はありません。近年では、骨が少ない方でもインプラント治療を可能にするための様々な骨造成法が確立されており、多くの方に希望の光が差し込んでいます。大宮銀座通り歯科では、骨造成法や自家歯牙移植など、専門的な治療でインプラントの可能性を広げます。

 

骨造成法とは

骨造成法とは、インプラントを埋め込むのに十分な顎の骨がない場合に、外科的な処置によって骨の量や厚みを増やす治療法の総称です。インプラントは顎の骨にしっかりと結合することで安定するため、骨量が不足していると、インプラントを安全に埋め込んだり、長期的に維持したりすることが難しくなります。この骨造成法を用いることで、これまでインプラント治療を諦めていた患者様にも、治療の可能性が広がります。

骨造成法には、いくつかの種類があり、患者様のお口の状態や骨が不足している部位によって、最適な方法が選択されます。

主な骨造成法の種類

  • GBR法(骨誘導再生法): 骨が不足している部分に骨補填材(人工骨や患者様ご自身の骨など)を置き、その上を特殊な膜で覆うことで、骨の再生を促す方法です。膜によって、骨が再生するスペースを確保し、周囲の軟組織(歯ぐきなど)が入り込むのを防ぎます。
  • サイナスリフト: 上顎の奥歯の骨が薄い場合に用いられる方法です。上顎洞(鼻の横にある空洞)の底部を持ち上げ、そのスペースに骨補填材を填入することで、インプラントを埋め込むのに必要な骨の厚みを確保します。側方からアプローチする「ラテラルアプローチ」と、インプラント埋入孔からアプローチする「ソケットリフト」があります。
  • ソケットリフト: サイナスリフトの一種で、インプラントを埋め込む穴から器具を挿入し、上顎洞の底を少しだけ持ち上げて骨補填材を入れる方法です。サイナスリフトに比べて低侵襲ですが、適応できる骨の厚みに限りがあります。
  • スプリットクレスト(リッジエキスパンジョン): 顎の骨の幅が狭い場合に、骨を二つに割って広げ、その隙間にインプラントを埋入したり、骨補填材を入れたりして骨幅を増やす方法です。

これらの骨造成法は、高度な技術と豊富な経験を必要とする外科処置です。当院では、患者様一人ひとりの骨の状態を精密に診断し、最適な骨造成法をご提案することで、安全で確実なインプラント治療を提供しています。

 

自家歯牙移植とは

自家歯牙移植とは、ご自身の健康な歯(親知らずなど)を、歯を失った部分の顎の骨に移植し、インプラントの代わりに機能させる治療法です。インプラント治療が人工の歯根を埋め込むのに対し、自家歯牙移植は「ご自身の歯」を利用するため、体への親和性が高く、より自然な形で歯の機能を回復できる可能性があります。特に、インプラント治療が難しいと診断された方や、人工物を体に入れることに抵抗がある方にとって、新たな選択肢となり得ます。

【自家歯牙移植の主な特徴とメリット】

  • 高い生体親和性: ご自身の歯を使用するため、拒絶反応のリスクが非常に低く、顎の骨との結合がスムーズに進む可能性が高いです。
  • 歯根膜の存在: 移植された歯には、天然の歯と同じように「歯根膜」という組織が存在します。これにより、噛んだ時の感覚がより自然に近く、外部からの衝撃を和らげるクッションのような役割も果たします。インプラントには歯根膜がないため、この点は大きな違いとなります。
  • 骨造成が不要な場合も: 骨の量が不足している場合でも、移植する歯の形態や移植部位によっては、大規模な骨造成を必要としないケースもあります。
  • 審美性の向上: 天然の歯に近い色や形を再現しやすいため、より自然な見た目を期待できます。

自家歯牙移植の適応条件

自家歯牙移植は、すべてのケースで適用できるわけではありません。成功のためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

  • 移植に適した歯があること: 主に親知らずや、矯正治療などで抜歯が予定されている歯など、移植しても問題のない健康な歯が必要です。
  • 移植部位の骨の状態: 移植する歯を支えられるだけの十分な骨量と形態が、移植部位にあることが重要です。
  • 歯周組織の健康状態: 移植する歯と移植部位の歯周組織が健康である必要があります。
  • 適切な咬み合わせ: 移植後の歯が、他の歯と調和した適切な咬み合わせになることが重要です。

自家歯牙移植は、インプラント治療と同様に高度な技術と経験を要する治療法です。当院では、患者様のお口の状態を詳細に診断し、自家歯牙移植が最適な選択肢であるかを慎重に判断いたします。

 

まずはお気軽にご相談ください

「骨が少ないからインプラントは無理かもしれない」と、これまでの説明を読んで改めて感じられた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、大宮銀座通り歯科では、骨が少ないケースであっても、インプラント治療の可能性を諦める必要はないと考えております。私たちは、患者様一人ひとりの口腔内の状態を精密に診断し、最適な治療法をご提案することに力を入れています。

【大宮銀座通り歯科が「骨が少ない方」のためにできること】

  • 精密な診断と治療計画: 最新の歯科用CT(三次元画像診断装置)を導入しており、顎の骨の量や質、神経や血管の位置などを詳細に把握できます。この精密なデータに基づき、患者様に最適な骨造成法や、場合によっては自家歯牙移植の可能性まで含めた、オーダーメイドの治療計画を立案します。
  • 豊富な治療経験と専門知識: 私は「日本口腔インプラント学会専門医」および「日本顎顔面インプラント学会専門医」の資格を有しており、長年にわたり多様なインプラント症例に携わってきました。骨造成術や自家歯牙移植といった難易度の高い外科処置においても、その知識と経験を活かし、安全で確実な治療を行います。
  • 痛みに配慮した治療: 外科処置に伴う患者様の不安や負担を軽減するため、麻酔方法の選択や、術後のケアについても細心の注意を払っております。できる限り痛みを抑え、安心して治療を受けていただけるよう努めています。
  • 丁寧な説明と情報提供: 治療方法や期間、費用、リスクなどについて、患者様が完全に理解し納得されるまで、時間をかけて丁寧にご説明します。どのような疑問や不安でも、遠慮なくお尋ねください。

インプラント治療は、失った歯の機能を回復させ、快適な食生活や美しい笑顔を取り戻すための有効な手段です。骨の量が不足していると診断された場合でも、最新の技術と専門的な知識、そして患者様への真摯な姿勢をもって、最適な解決策を見つけるお手伝いをいたします。まずは、ご自身のお口の状態を知るためにも、お気軽にご相談ください。



 
監修記事
小川 信Ogawa Shin
医療法人社団 新成会 理事長。歯科医師。日本口腔外科学会 認定医、日本口腔インプラント学会 専門医、日本顎顔面インプラント学会 専門医、厚生労働省指定臨床研修指導歯科医として、多岐にわたるインプラント治療を行う。新潟大学医歯学総合病院の口腔外科やインプラント治療部門で長く研究や臨床に携わっており、「患者さんができるだけ長い間、QOLが高い状態で過ごせるよう、そのライフスタイルに寄り添った歯科治療を提供したい」という想いで、日々の治療にあたっている。