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インプラントとブリッジの違い

ブログ

2025.09.10

歯を失ってしまった皆様へ

虫歯や歯周病、事故など、何らかの理由で歯を失ってしまったとき、その後の治療方法について悩まれる方は少なくありません。見た目の問題はもちろん、噛む機能の低下は、食事の楽しみを奪い、全身の健康にも影響を及ぼします。失われた歯を補うための治療法には、主に「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」といった選択肢があります。それぞれの治療法には特徴があり、メリットやデメリットも異なります。ご自身の歯の状態に合わせた治療法を見つけるための参考にしてください。

失った歯の治療方法の選択肢

歯を失った際の治療法には、いくつかの選択肢があります。それぞれの治療法は、歯を失った部位や本数、患者様の全身状態やご希望によって最適なものが異なります。

  • インプラント: 歯が失われた部分のあごの骨に、人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を被せる治療法です。ご自身の歯と同じように、あごの骨に固定されるため、安定して噛むことができます。
  • ブリッジ: 失われた歯の両隣にある健康な歯を削り、橋渡しをするように人工歯を被せる治療法です。失われた歯を固定するため、取り外しの必要がなく、比較的安定して噛むことができます。
  • 入れ歯(部分入れ歯): 失われた歯を人工歯で補い、クラスプと呼ばれる金属のバネなどで周囲の歯に固定する治療法です。取り外しが可能で、比較的短期間で治療を終えることができます。

これらの治療法の中から、どの方法を選択するかは、歯科医師とよく相談し、それぞれのメリット・デメリットを十分に理解した上で決定することが大切です。

そもそもインプラントとは?

インプラントは、失った歯の機能を回復させるための治療法の一つです。インプラント治療では、歯が失われた部分のあごの骨に、チタン製の人工的な歯の根っこ(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を被せます。このインプラント体は、体への馴染みが良いチタン素材でできており、数ヶ月かけて周囲の骨としっかりと結合します。この骨と結合する期間を設けることで、インプラントがご自身の歯の根のように機能し、食べ物をしっかりと噛めるようになります。ブリッジや入れ歯と異なり、独立した構造を持つため、周囲の健康な歯を削る必要がないという大きな特徴があります。さらに、あごの骨に直接力が加わることで、骨が痩せるのを防ぎ、長期的に安定した状態を保つことができます。見た目も天然の歯に近く、審美性にも優れているため、ご自身の歯のように自然な口元を取り戻すことが可能です。

ブリッジとは?

ブリッジは、失われた歯を補うための治療法の一つです。その名の通り、失われた歯の箇所を橋渡し(ブリッジ)するように人工歯を連結して被せる治療法です。この治療では、失われた歯の両隣にある健康な歯を土台として利用します。具体的には、失われた歯の両隣の歯を削り、そこに人工歯と一体化した冠を被せます。これにより、失われた歯の機能を回復させ、見た目も自然な状態に戻すことができます。

ブリッジの主な特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 比較的短期間で治療が完了する: インプラントのようにインプラント体と骨が結合するのを待つ必要がないため、比較的短い期間で治療が完了します。
  • 取り外しが不要: 入れ歯のように取り外す必要がなく、ご自身の歯と同じように使用できます。
  • 費用が抑えられる場合がある: インプラントに比べると、治療費が比較的安価に済む場合があります。

しかし、ブリッジは、土台となる両隣の健康な歯を削らなければならないという点が大きなデメリットです。また、土台となる歯に負担がかかるため、将来的に土台の歯が弱くなる可能性もあります。

インプラントとブリッジの違い

インプラントとブリッジは、どちらも失われた歯を補う優れた治療法ですが、その根本的な考え方や特徴には大きな違いがあります。それぞれのメリット・デメリットを比較し、ご自身に最適な治療法を見つけるための参考にしてください。

項目

インプラント

ブリッジ

治療対象

歯を失った部分のあごの骨

失われた歯の両隣に健康な歯がある場合

特徴

あごの骨に人工歯根を埋め込むため、独立した歯として機能する。周囲の歯に負担をかけない。

両隣の歯を土台として利用し、橋渡しをするように人工歯を被せる。土台の歯を削る必要がある。

メリット

・天然の歯に近い噛み心地
・審美性に優れている
・周囲の健康な歯を削らない
・あごの骨が痩せるのを防ぐ

・インプラントより治療期間が短い
・比較的安価な場合がある
・手術が不要

デメリット

・外科手術が必要
・治療期間が長い
・費用が高価な場合がある
・全身疾患によっては治療が難しいことがある

・土台となる健康な歯を削る必要がある
・土台の歯に負担がかかる
・歯と歯茎の間に食べ物が詰まりやすい
・長持ちしない可能性がある

見た目

天然の歯に近い自然な見た目

連結しているため、不自然に見えることがある

メンテナンス

毎日の丁寧な歯磨きと、定期的な歯科医院でのメンテナンスが必須

毎日の歯磨きに加え、連結部や歯と歯茎の間に食べ物が詰まりやすいため、デンタルフロスなどの使用が不可欠

 

メンテナンス

インプラントとブリッジ、どちらの治療法を選んだ場合でも、治療後の適切なメンテナンスが非常に重要です。メンテナンスを怠ると、せっかく治療した部分が長持ちしなかったり、周囲の健康な歯や歯茎に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。

インプラントのメンテナンス

インプラントは人工物ですが、周囲の歯茎や骨は天然のものです。不適切なケアが続くと、インプラントの周囲の歯茎に炎症が起こる「インプラント周囲炎」という病気にかかるリスクが高まります。インプラント周囲炎は、天然の歯周病と同様に進行し、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。そのため、毎日の丁寧な歯磨きに加え、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアが不可欠です。歯科衛生士が専門的な器具を使って歯垢や歯石を取り除き、ご自身では磨きにくい部分の清掃方法についてアドバイスを行います。

ブリッジのメンテナンス

ブリッジも、土台となっているご自身の歯を健康に保つことが長持ちさせる鍵となります。ブリッジは連結されているため、歯と歯の間や、歯と歯茎の間に食べ物が詰まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。通常の歯ブラシだけでは清掃が難しいため、歯間ブラシやデンタルフロスなどを活用して、連結部の隙間を丁寧に清掃することが重要です。こちらも、定期的な歯科医院でのメンテナンスで、虫歯や歯周病のチェック、プロによる清掃を受けることが推奨されます。

 



 
監修記事
小川 信Ogawa Shin
医療法人社団 新成会 理事長。歯科医師。日本口腔外科学会 認定医、日本口腔インプラント学会 専門医、日本顎顔面インプラント学会 専門医、厚生労働省指定臨床研修指導歯科医として、多岐にわたるインプラント治療を行う。新潟大学医歯学総合病院の口腔外科やインプラント治療部門で長く研究や臨床に携わっており、「患者さんができるだけ長い間、QOLが高い状態で過ごせるよう、そのライフスタイルに寄り添った歯科治療を提供したい」という想いで、日々の治療にあたっている。