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一番奥の歯(最後方臼歯)のインプラント治療について

ブログ

2025.06.27

 今回は上記テーマで、一般の方と同業者の方、どちらにも読んでもらえるようにブログを書いてみたいと思います。「一番奥の歯のインプラント治療のリスク」についてchatGPTに聞いてみました。
一番奥の歯のインプラント治療は…
①正確な治療が困難 奥に行くほど口が開きにくく、暗くて見にくいために正確な治療が難しい
②骨量が少ない場合が多い 上顎だと上顎洞、下顎だと下歯槽神経が近く、骨が少ないことが多い
③かみあわせの力が強い 噛む力が最もかかるため、力によってインプラント体が脱落したり、上部構造が破折するリスクが高い
④清掃が難しい 一番奥なので清掃器具が届きづらく、インプラント周囲炎のリスクも高い
 
 一番奥の歯が欠損した(無くなってしまった)場合、延長ブリッジ、入れ歯、またはそのまま放置、そしてインプラントという4つの選択肢があります。延長ブリッジは欠損した手前の歯2本に大きい負担がかかってしまうため、近年は行わない先生が多い気がします。また入れ歯も一番奥の歯一本の場合は使いづらく、使わない方が噛みやすかったりします。よってそのまま放置、またはインプラントという選択肢の2つが近年は多いのではないのでしょうか。
 そのまま放置しても見た目にはほぼ分からないでしょうし、隣の歯が倒れてくるということがほとんどないために噛み合わせが大きく変化するというリスクがなく、他の部位に比べて放置することのデメリットが少ないかもしれません。また、前述したようにインプラント治療を行うことのリスクも大きいため、そもそも一番奥の歯のインプラント治療は行わない、という先生も一定数いらっしゃるようです。
 私は抜歯前、または抜歯してすぐであればインプラント治療を患者様におすすめすることが多いです。一番奥の歯がないとその分他の歯に負担もかかりますし、噛む効率も大分下がってしまいます。ただし、抜歯して長期間(数年)経過している場合、リスクや問題点をしっかり説明したうえで患者様に選択して頂くことが多いです。
私が考える一番奥の歯を抜歯して、長期間経過した後インプラント治療を行うことによっておこるリスクや問題点は…
① 骨や歯ぐきが吸収しているためにインプラントを行っても上部構造(インプラントの歯)が大きくなったり、歯ぐきがなかったりして、結果として清掃が難しくなることが多い
② 長期間その場所に歯がないことにより頬や舌が寄ってきてしまい、頬や舌を噛むことが多くなる(慣れると噛まなくなることもある)
③ 噛み合う歯が伸びてきていて、その歯を削ったり、矯正治療によって圧下させる必要があることが多い
上記は患者様によってもちろん当てはまらない方もいらっしゃいますし、それを考慮したうえでもインプラント治療を行った方が良い方もいらっしゃいます。実はうちのスタッフも他院で一番奥の歯を抜歯して数年経過した後、私がインプラント治療を行ったのですが、非常に良好な経過を辿っています。
 以上、最後方臼歯のインプラント治療について私の考えを述べさせて頂きました。当院は最後方臼歯にインプラント治療を行う方は多いですが、カウンセリングを聞いて行わない方もいますし、様々な事情やリスクを考慮して私のほうからおすすめしない方もいらっしゃいます。もちろん先生によって考え方は違いますので、治療を検討されている方は先生の説明をよく聞いて治療を受けるかどうか決めた方がいいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。


 
監修記事
小川 信Ogawa Shin
医療法人社団 新成会 理事長。歯科医師。日本口腔外科学会 認定医、日本口腔インプラント学会 専門医、日本顎顔面インプラント学会 専門医、厚生労働省指定臨床研修指導歯科医として、多岐にわたるインプラント治療を行う。新潟大学医歯学総合病院の口腔外科やインプラント治療部門で長く研究や臨床に携わっており、「患者さんができるだけ長い間、QOLが高い状態で過ごせるよう、そのライフスタイルに寄り添った歯科治療を提供したい」という想いで、日々の治療にあたっている。