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サージカルガイド

ブログ

2025.07.20

 今回のブログのテーマはよく患者様にも聞かれる「サージカルガイド(surgical guide)」についてです。また得意のChatGPTに尋ねてみました。

 歯科インプラント手術におけるサージカルガイド(以下ガイド)とは、インプラントを正確な位置・角度・深さに埋入するために使われる補助器具のことで、手術の正確性と安全性を高めるために使用されます。ガイドはCTスキャンや口腔内スキャンのデータをもとにソフトで設計してつくられます。人為的なミスを減らし、より短時間・低侵襲の手術が可能となることで、術後のトラブルや合併症のリスクが低減し、さらに患者の術後の腫れや痛みが軽減されます。

 さて、このガイドですが当院で使用する場合はオプションとして55000円(税込み)を追加で頂いています。基本的には使用することはなく、患者様が希望された場合に使用させて頂いています。ただし、患者様によってはこちらの方からお願いして使用させて頂くことがあります。
 基本的に使わない理由としてはガイドをつくるのには費用がかかるため、その費用を患者様から頂かざるを得ないからというのが一番です。あとはガイドより自分の手術の感覚を信じているからというのもあります。私の経験になりますがガイドは条件が整い、かつ正確に使用しないと誤差が出てしまい、結果として計画していたポジションとは異なる場所にインプラントが埋入されてしまうことが多いです。またそもそも解剖学的な制限等からガイドが使用できないケースや、逆にトラブルを引き起こすケースもあるため、ケースの慎重な選択が必要です。そしてガイドを使用した手術に熟練していなければなりません。私はガイドの手術は今まで数百件行いましたが、色々経験した結果、現在はガイドを使う場合はファーストドリルのポジションと方向を確認するまでとして、その後自分の判断で場合によっては微修正、拡大を行っています。

 また、患者様にお願いしてガイドを使用する場合のほとんどは歯がない状態で複数本のインプラントを埋入する場合になります。歯がない場合は目印がないためにインプラントのポジションを決めることが難しいため、ガイドによってある程度の場所と方向を決めて、そこから手術をすすめていることが多いです。最終的なポジションは自分で決定するのですが、最初にある程度の場所と方向が決まっていると、手術時間が短縮され、結果として正確な手術になるので、歯がほとんどない方や前歯がほとんどない方はガイドの手術をお願いしています。

  最近は手術をナビゲートする機械などもあり、今後はガイドではなくてそちらを使用していく歯科医院が増えていくかもしれません。ただどちらにしても頼るツールではなく、利用するツールだと私は思っています。

 



 
監修記事
小川 信Ogawa Shin
医療法人社団 新成会 理事長。歯科医師。日本口腔外科学会 認定医、日本口腔インプラント学会 専門医、日本顎顔面インプラント学会 専門医、厚生労働省指定臨床研修指導歯科医として、多岐にわたるインプラント治療を行う。新潟大学医歯学総合病院の口腔外科やインプラント治療部門で長く研究や臨床に携わっており、「患者さんができるだけ長い間、QOLが高い状態で過ごせるよう、そのライフスタイルに寄り添った歯科治療を提供したい」という想いで、日々の治療にあたっている。